2004年03月12日 00:00 〜 00:00
中山恭子・内閣官房参与「北朝鮮」11

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会見リポート

北は変わりますかねえ

堀 宏 (個人会員(TBS出身))

─帰国した5人の方はいわば幽閉状態で、日本人観光客と分かっても名乗り出ることができず、かえって身を隠すようにしたなど、状況把握は正確だったようだ。

─何しろこの問題は国家による犯罪で、そういう国家を直接相手にするだけに難しい交渉だ。

─六者会談参加国など北朝鮮との関係が深い国家にも支援・協力を依頼しているが、米国は大変大きな関心を抱いてくれている。

─残された家族の出迎えについては、実はチャーター機の入札までしたが、現地で「帰ろう」と呼びかけても(洗脳の結果)説得できない恐れから踏み切れなかった。

─要するに、北朝鮮が「全員を帰す」と決断しないかぎり、問題の解決はありえない。それには国連や六者などを中心に、世界中から北にとって良いこと(経済支援?)を与えるしかないだろう──。

一昨年秋以来、映像画面でしばしば見かけた楚々たる風姿の持ち主は、実際には格別構えたところもなく、ごく普通に淡々と語る中年女性で、かえって妙な安心感を覚えたのも事実だ。もっとも先行きについての質問には「交渉は外務省の管轄…」とか、再度の首脳会談については「そんなお高いところのことは…」とか、上手にはぐらかされた。

ただ一度「(拉致問題さえ)解決すれば、北も変わるんでしょうが…、変わりますかねえ」と世間話風の口調で独りごちたのは語るに落ちた気味に聞こえたが、「皆さまの関心がもっとも強い支援だ」とした結語は、全国民的希望を端的に象徴するものでもあった。

ゲスト / Guest

  • 中山恭子 / Kyoko Nakayama

    内閣官房参与 / Special Advisor to the Cabinet

研究テーマ:北朝鮮

研究会回数:11

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