会見リポート
2004年03月16日
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ハッサン・ロウハニ・イラン最高安全保障委員会事務局長
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会見リポート
核査察受け入れを明言
花井 喜六 (個人D会員(中日新聞出身))
この日は、核疑惑問題で世界注視の的になっているイランの大物登場とあって、久しぶりに頭髪黒々の現役記者が多くの席を埋めた。
聖職者のロウハニ師は、白のターバン、黒の僧服と異色のいでたち。冒頭発言では、まず日本との関係強化に触れた。
「日本のアザデガン油田開発参加は両国関係のシンボルになる。両国が協力できる分野はアフガン復興、麻薬取り締まり、イラク復興問題と広がっている」
国際社会の信頼を得るための努力も強調した。「テロ対策は人類全体の問題として努力している。この二年間にアルカイダ500人を拘束、出身国へ引き渡した」「イランは国際原子力機関(IAEA)に強制査察を認める追加議定書に調印した。わが国は平和的利用の核開発は望むが、核兵器をつくろうとは思わない」。
質問は一人をのぞいて現役ばかり。高濃縮ウランはどこから持ち込まれたか、などIAEA顔負けの鋭さ。ロウハニ師はこれを顔色一つ変えず、冷静にさばいた。その中で、IAEAの査察を3月27日から無条件で受け入れる、と明言したのは大きな収穫だった。
後で、旧知のOB記者が、核問題に偏った質問で、面白くなかったね、と、耳打ちした。目先のテーマに集中する現役と広い視野からのOBの質問がバランスよく出るのが、ベストのようだ。
ゲスト / Guest
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ハッサン・ロウハニ / Hassan Rowhani
イラン / Iran
最高安全保障委員会事務局長 / Secretary of the Supreme National Security Council