2004年03月16日 00:00 〜 00:00
平野祐康・三宅村村長

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会見リポート

一斉帰島への強い決意

築山 英司 (東京新聞社会部)

全島避難から3年半以上たった東京都三宅村の新しいリーダー。「同じ苦労をするのなら、避難先より島で苦労した方がいい」。島民約3300人が14都県に分散避難中の前代未聞の選挙で、「年内の帰島」を掲げ、得票率約八割の圧倒的な支持で2月初当選した。

島で生まれ、育った。村役場に長年勤めた。避難後に担当課長として復興計画を練った経歴と純朴なその人柄が、島民の熱い期待を集めた。

「避難生活がこんなに長くなると思っていなかった」と全島民の望郷の念を代弁する。「年内にでも早く帰りたいと希望が多かった。自分が手掛けてあげなければ」とあらためて決意したという。

火山ガスは島の一部地域で安全基準をクリアしているが、自然が相手だけに「年内の帰島」は簡単に実現できそうもない。

島民説明会やアンケートによる帰島意思の確認を行い、半年ぐらいかけて島民が住宅の補修をした後、「帰島宣言」で避難解除の時期を示す──。このシナリオの前提として「安全対策が第一だ」と断りながら、「島民にガスとの共存の了解をとらなけりゃ、長く避難生活が続く。今後島がどうなっていくのか考えると、私がどこかの時点で判断しないといけないだろう」と表情を引き締めた。

1962年と83年の2回、雄山の噴火を経験した。83年のときは、阿古地区の実家が溶岩流に埋まった。しかし、今回ほど火山ガスが長く出続けたことはない。村が存続できるかどうか。この人にかかっている。

ゲスト / Guest

  • 平野祐康 / Sukeyasu Hirano

    三宅村村長 / Mayor of Miyake Villeage

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