会見リポート
2004年02月19日
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内田博文・ハンセン病問題検証会議副座長・九州大学教授「ハンセン病問題」
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会見リポート
隔離政策の真相究明
藤井千佐子 (西日本新聞東京支社報道部)
内田さんはこれまでの検討結果として「強制隔離と療養所入所者の処遇改善が表裏一体で行われたことがカギになるのではないか」と分析した。社会復帰よりも処遇改善に重点を移すという本末転倒な政策が行われ、その予算を獲得するため強制隔離の存在が強調されたため、「らい予防法の廃止はあまりにも遅れることになった」と指摘した。
誤った政策がとられるようになった背景には、患者を社会から排除することが日常化していたことや世論の無関心があることは明らか。それは今も続いているという気持ちにさせられたのが、熊本の黒川温泉で昨年末に起きたハンセン病療養所入所者に対する宿泊拒否事件だ。内田さんは「無数の黒川事件が水面下であるのではないか。この事件だけを問題にしてもハンセン病に対する偏見・差別は解決しない」と語った。
検証会議では三月に中間報告書を、2004年度中に最終報告書をまとめる。国だけでなく医学界や宗教界、法律家、マスメディアの責任も検証するという。偏見・差別を顕在化し、問題提起していくという役割を担うマスコミ人として検証結果を一人ひとりが厳粛に受け止める必要がある。
ゲスト / Guest
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内田博文 / Hirofumi Uchida
ハンセン病問題検証会議副座長・九州大学教授
研究テーマ:ハンセン病問題