2004年02月23日 00:00 〜 00:00
カイ・ララ・シャナナ・グスマン・東ティモール大統領

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会見リポート

世界で最も若い国

砂田 浩孝 (共同通信外信部)

5月で独立から丸2年になる東ティモール。自らを「世界で最も若い国の初代大統領」と語ったグスマン大統領は、乗り越えるべき課題を具体的に列挙しながら、国際支援の必要性を訴えた。

独立闘争は国民の心も破壊したが、大統領は「この二年で国民は民主主義、人権といった普遍的な価値を共有した」と強調。しかし「まだまだ国際社会の支援は欠かせない」という。その一つがインフラ整備。大統領は、現地で橋りょう建設などの平和維持活動(PKO)に従事する自衛隊の貢献を高く評価した。

アナン国連事務総長は2月、5月で任期を終える国連東ティモール支援団(UNMISET)について、規模を縮小した上で派遣期間を一年延長する案を示した。正式には今後決まるが、大統領は「日本が現在の重要な役割を引き続き担ってくれると思っている」と自衛隊の派遣延長に強い期待感を表明した。司法や腐敗防止制度の整備、若者の職業訓練などの分野も急務の課題として挙げた。

質疑応答では、UNMISETの縮小について「国連と東ティモール政府の話し合いの結果」と強調。日本に期待する具体的分野としては、国民のメンタリティー面の支援、学校、病院整備、職業訓練などを挙げた。対インドネシア関係は、西ティモールに残された住民の帰還や国境画定問題などを抱えているものの、全般的に良好な関係だという。

ソフトなポルトガル語で理路整然と語る大統領。経済の自立についての話では「東南アジアでは鳥インフルエンザがまん延しているが、東ティモールの鶏は小さいけれど、おいしいですよ」と国のセールスも忘れなかった。

ゲスト / Guest

  • カイ・ララ・シャナナ・グスマン / Kay Rala Xanana Gusmao

    東ティモール / East Timor

    大統領 / President

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