2004年01月07日 00:00 〜 00:00
駒野欽一・駐アフガニスタン大使

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会見リポート

アフガンこそすべての始まり

堀越 豊裕 (共同通信外信部)

アフガニスタンのニュースの扱いがこのところすっかり良くない。米軍がアフガン攻撃を始めた2001年10月と比べ、安定した状況にあるわけではもちろんない。ただイラクの陰に隠れているだけだ。

しかし、ブッシュ米政権が掲げる「テロとの戦い」で言えば、アフガンこそがすべての始まりで、ウサマ・ビンラディン氏の拘束が同国にとって最優先の課題であることは言うまでもない。

そのビンラディン氏だが、所在は今もはっきりしていない。一般的にはアフガン、パキスタン国境の部族地域に潜んでいるとされるが、駒野大使は長い国境線山岳を中心とした複雑な地形同じパシュトュン人が国境を恒常的に行き来している状況─などを理由に、発見、拘束は、フセイン元大統領と比べて相当に困難な作業だと説明した。

大使はまた、アフガンを「失敗国家」と位置付け、「国の体を成していない国」と表現した。ソ連のアフガン侵入、続く内戦で国土は荒れに荒れた。

当然、再建のため各国の援助が欠かせない。駒野大使によれば、日本は外国に比べ妙な思惑がなく、援助を受け入れられやすい環境にあるという。有効かつ効率的な援助を求めたい。

1月4日、新憲法を制定するロヤ・ジルガ(国民大会議)がようやく終わった。開催日も期間もずれ込んだうえ、会議中は何度も紛糾した。6月には、大統領選挙、議会選挙が実施される予定だが、これもずれ込むことがほぼ確実視されている。薄氷を踏むような一年間がまた始まった。

ゲスト / Guest

  • 駒野欽一 / Kinichi Komano

    駐アフガニスタン大使 / Ambassador of Japan to Afghanistan

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