2004年01月29日 00:00 〜 00:00
近藤剛・日本道路公団総裁

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会見リポート

民営化案は90点

小此木 潔 (朝日新聞編集委員)

昨年11月に総裁に就任した近藤さんは、道路公団民営化に関する年末の政府・与党合意が本物の改革にはほど遠い内容ではないかといった疑問がメディアの間に渦巻く中、淡々とした口調で民営化の意義と課題を語った。

民営化が必要な理由として、第二の国鉄にしないため、40兆円の債務を増やさず、着実に償還できるようにする経済効果・利用度の高い道路から順に造るようにする効率性を追求できる経営にする、の3点を挙げ、これらに照らせば政府・与党合意は「一応合格点。100点満点で90点ぐらいという評価だ」と甘い点数をつけた。同時に小泉首相が80点をつけたとの話を披露し、「私自身よりも総理のほうが志が高かったのかなと思った」とも述べた。

今後の高速道路建設については「新会社にできないものはお断りし、税金による新直轄方式で造っていただく」と、新会社の「事実上の拒否権」をたてに、採算の見込める道路しか造らない姿勢を強調した。質疑応答では「上下分離方式で、むだな道路建設をやめることができるのか」との質問に対し、「上下一体が理想だが、道路を預かる新会社に、あたかも所有しているかのような裁量権が与えられればいい」と、今後の関連法整備に期待を表明した。

参院議員を辞めたのは有権者への裏切りでは、との厳しい質問も出たが、近藤氏は「ありがとうございます」と笑顔で応じ、「退路を断って命をかける」「構造改革を最前線で担うため」と一途な心情を吐露した。

ゲスト / Guest

  • 近藤剛 / Takeshi Kondo

    日本道路公団総裁 / President, Japan Highway Public Corporation

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