2003年11月21日 00:00 〜 00:00
マリオ・モンティ・EU競争政策担当委員

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会見リポート

一貫した競争政策を強調

前地 昌道 (朝日新聞経済部)

市場経済が有効に機能するためには競争政策は不可欠であり、そしてそれは強い事業者を生み、最後は消費者の利益につながる。欧州連合(EU)の競争政策を取り仕切るモンティ委員は会見で終始その姿勢を貫いてみせた。それが来年に控える拡大EUの発展にも資するとの信念がある。

〇一年、米総合電機・金融大手のゼネラル・エレクトリック(GE)とハネウエル・インターナショナルの合併を、米当局が許可したにもかかわらず待ったをかけたのは記憶に新しい。今年十月には日本とドイツの化学メーカーがカルテルを結んでいたとして、百八十億円に上る巨額の罰金を科した。「我々はEUの消費者に影響が出る場合には断固とした措置に出る」と、モンティ委員は言い切った。

会見で質問が集中したのはEUが新たに採用する自動車販売政策。販売する車種や地域制限を緩和し、価格の平準化をねらう政策だ。業界から強い反発があったが「競争の風はより効率的な販売店を誕生させる」と、その効果に自信を見せる。

日本の独占禁止法改正の検討については「日本はいい方向に進んでいる」と評価。課徴金の大幅引き上げなど措置体系見直しには財界の反対もあるが「反対は正当化できない。公取委の方向性はもっと強化するべきだ」と、公取委を全面支援した。ただ日本の改革を評価する一方で、「電気通信分野の規制緩和は十分に満足する決着をしていない」と、総務省への注文も忘れなかった。

ゲスト / Guest

  • マリオ・モンティ / Mario MONTI

    イタリア / Italia

    EU競争政策担当委員 / EU

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