2003年09月03日 00:00 〜 00:00
菅直人・民主党代表

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会見リポート

合併後の主導力に自信

福田宏樹 (朝日新聞論説委員)

小泉純一郎首相の登場以来、その根強い人気に民主党は手を焼いてきた。菅氏にとっては次の総選挙がいよいよ勝負どころである。世間の風向きがようやく変わってきたと感じてもいるようだ。政権交代を目指して踏み切った自由党との合併に触れながら、「日本社会の流れを変える政権をつくる」と意気込みを語った。

それでも合併の危うさを拭いきれないからだろう、会場からは「小沢一郎氏が力を持ち、権力の二重構造にならないか」「小沢氏の処遇は」と質問が相次いだ。菅氏は「私はだれの手のひらにも乗らない。小沢氏が乗せようと思ったら失敗する」。主導力に自信を見せ、政権を取れば「二重構造」にならぬよう小沢氏にも入閣してもらうとも主張した。

十八歳から選挙権を与える。一票の格差を是正する。衆院比例区の定数百八十を百程度に減らす。事務次官会議は廃止する。そんな具体策も示したが、党内論議のさなかだっただけに「マニフェストに盛りこむかどうかは別」と断る慎重さも忘れなかった。

自民党内が総裁選を目前にすったもんだしていた時でもあり、先に手のうちは明かせないという思いはあっただろう。だが、憲法や安全保障といった問題には触れたがらなかった印象は否めない。

埼玉県知事選挙の結果を引き合いに出したように、「小泉支持」が自民党候補への投票に必ずしも直結しなくなってきた変化は確かにある。なお越えるべき山はいくつも待っているが、自ら強調した「しつこさ」で乗り切れるか。

ゲスト / Guest

  • 菅直人 / Naoto Kan

    日本 / Japan

    民主党代表 / Representative, DPJ

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