2002年12月03日 00:00 〜 00:00 10階ホール
カルロス・ゴーン・日産社長

会見メモ

・・・日産自動車のカルロス・ゴーン社長、1999年に来日して経営再建に取り組み、「V字型回復」の軌跡を残しつつある。明快でもある。わかりやすい目標、ビジョンを提示し、それを達成することで社内の求心力を高めた。こうなると、企業メカニズムは順調に回転し、「マーチ」をはじめ乗用車販売も上向いてきた。
「私が日本で学んだこと」が話のテーマ。簡単なスピーチのあと、数多くの質問に答えた。来日した時は、日産社内が「混乱」し、「フラストレーションがたまっていた」という。
「確かに3年間は集中力を求められたが、個人的にも、仕事としても、実りがある充実した期間だった」と振り返った。
日産の関係者からこんな話をうかがったことがある。「ゴーンはビジネスのために日本に来ている。だから日本の社会、政治を隅々まで知っているわけではない」。不良債権問題などの処方せんを問われても「サッカーと同じで、外からみると簡単だが、中に入ると難しい」とやんわりかわした。
しかし、再建に立ち向かうのは日本の大企業、日本人、企業社会と見据えたのだろう。「日本では複雑な事態に対応すると行動を起こさない。単純明快な数値目標、優先順位をつけると効力を発揮する」と分析した。「日産リバイバルプラン」であり、それに続く「日産180」だ。
混乱を収めるビジョンで従業員の行動を引き出し、大きな成果に結び付けることができた、という。ビジネスと割り切っているのだろう。
この3年間でゴーン氏は日本ビジネス界の「顔」の一人となった。適応力の高さは「多様性が当たり前だった」と本人が紹介した環境が由来だったのではないだろうか。レバノン人のルーツを持ち、ブラジルで生まれた。欧州、米国、アジアなどで働いてきた。
「経営スタイルは私の経験から来ている。日本の影響も受けている」と話した。日産は過去の負債を解消しつつある。しかし、再建の過程で失ったものもある。「数値目標の次」をどう構築していくのだろうか。・・・
日本記者クラブ会報2003年1月号6ページから引用)

会見音声


ゲスト / Guest

  • カルロス・ゴーン / Carlos Ghosn

    フランス / France

    日産社長 / President and CEO of Nissan

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